「いみじ」の意味とは?「いみじう」の品詞と「いみじくも」も解説

英会話

「いみじ」は「並々ではない」という意味の古語で、その本来の意味から「とてもいい」や「恐ろしい」のようにさまざまな意味が派生します。今回は「いみじ」の本来の意味から派生した意味のほかに、「いみじう」を含む活用についても解説します。また「いみじ」が使われている慣用句「いみじくも」の意味なども説明します。

「いみじ」の意味とは?

「いみじ」の意味は「並々ではない」

「いみじ」とは形容詞で、並々ではない甚だしい(はなはだしい)という意味の古語です。普通ではない極端な状態を表す言葉です。

「すばらしい」や「ひどい」といった両極端な意味がある

「いみじ」の「並々ではない」という意味が良い意味と悪い意味の両極端な意味合いで使われます。良い意味で使われた場合には「すばらしい」や「とてもいい」という意味になります。その一方で、悪い意味で使われた場合には「ひどい」や「つらい」「恐ろしい」「情けない」といった意味になります。

「いみじ」はシク活用

「いみじ」はシク活用で、次のように活用されます。

未然形 いみじく いみじから
連用形 いみじく いみじかり
終止形 いみじ いみじ
連体形 いみじき いみじかつ
己然形 いみじけれ いみじけれ
命令形 いみじかれ いみじかれ

「いみじ」は漢字で「忌じ」と書く

「いみじ」は漢字で「忌じ」と書きますが、それは「いみじ」の語源に由来しています。「いみじ」は動詞「忌む」が形容詞化した形だからです。

「忌む」の意味は、不吉なものなので避けるという意味と、身を清めて穢れを避けるという意味があります。「いみじ」は「忌む」の不吉なものや汚れているものから避ける様子から、普通ではなく極端な状態という意味だけが残り、「いみじ」は並々ではないという意味として使われるようになりました。

「いみじ」の使い方

「いみじく降る」とは「ひどく雨が降る」という意味

「いみじく降る」とはひどく雨が降るという意味で、「いみじ」の並々ではないという意味が使われています。

伊勢物語『芥川』の「いみじう泣く人」とはひどく泣く人

「いみじう泣く人」とはひどく泣く人という意味で、この文は伊勢物語の『芥川』に出てきます。伊勢物語は平安時代の歌物語(和歌を中心にした短編文学)ですが、なかでも『芥川』は有名な一説です。

『芥川』のあらすじは、想い慕っていた女を連れ去った男は、芥川のほとりにたどり着きます。しかし雨がひどかったので、女を蔵に押し込めて夜明けを待っている間に女が鬼に食べられてしまい、男が泣き悲しむという話です。

この男が鳴き悲しむ様子を「いみじう泣く人」と表現されています。

「いみじう」の品詞は「いみじ」の連用形ウ音便

「いみじう泣く人」にある「いみじう」とは、「いみじ」の連用形である「いみじく」の語尾が「ウ」となるウ音便化されています。例えば、枕草子のなかの「九月ばかり、夜一夜」に「いみじうあはれにおかしけれ」という一節がありますが、ここでも「いみじ」の連用形がウ音便になっています。

なぜ「いみじう」のようにウ音便化されるのかというと、「いみじく」というよりも「いみじう」と言った方が発音しやすいからです。「ありがとう」もウ音便の一例で、「ありがたく」がウ音便化して「ありがとう」となり今でも使われています。

現代語「いみじくも」の意味とは?

「いみじくも」の意味は「適切に」または「とてもよく」

「いみじくも」は「いみじ」の連用形に係助詞「も」から成り立っている言葉で、現代語として使われています。その意味は「適切に」または「とてもよく」です。正しく要点を押さえていることを表すときに使われる言葉です。

「いみじくも」を使った例文

  • いみじくもお客様のおっしゃる通りです。
    =(お客様を前にして)まさにお客様がおっしゃる通りです。
  • 彼の言い方はあの事件をいみじくも表現している。
    =彼の言い方はあの事件をとても適切に表現している。
  • 金の切れ目が縁の切れ目とは、いみじくも言ったものだ。
    =金の切れ目が縁の切れ目とは、とても上手く言ったものだ。

参照:「いみじくも」の正しい意味と使い方は?誤用や注意点を解説

【コラム】「いみじ」を「やばい」と訳してもいい?

「いみじ」の現代語訳は「やばい」でもいい

「いみじ」という言葉の現代語訳は、今でいうなら俗語の「やばい」だと説明されることもあるようです。「やばい」は、危険が迫っていて危ないという意味で使われることもあれば、感情が高ぶる気持ちを表して「すごい」や「楽しい」、時には「かわいい」や「美しい」など極端な感情を表す言葉と使われています。

「やばい」の意味や使われ方から考えると「いみじ」に通じているものがあるので、「いみじ」の現代語訳として「やばい」もありえます。

「やばい」では意味の説明として不十分

ただし「いみじ」の訳語として「やばい」を使ってしまうと、その意味が良い意味で使われているのか、それとも悪い意味で使われているのかなど、的確にその意味を訳しているとは言えません。つまり「やばい」は不十分な訳語です。

「いみじ」の意味を適切に伝えたいのなら「やばい」ではなく、どのような意味で使われているのかを見極めて、「ひどい」や「よい」、「怖い」などで現代語訳をした方がいいでしょう。

まとめ

「いみじ」とは「並々ではない」という意味の古語で、良い意味と悪い意味の両方で使われます。「素晴らしい」という意味で使われることもあれば、「ひどい」や「恐ろしい」という意味のこともあり、どの意味で使われているのかは文脈から捉えるしかありません。

覚え方としては、「いみじ」の意味は「並々ではない」という意味だと覚えておき、その時々でより詳しい現代語訳を見つけるようにするといいでしょう。

 

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